A48-78周波数特性

2024/2/29 Ver 1.006

更新履歴
2024-01-31　Ver 1.000 新規作成
2024-02- 1　Ver 1.001 追記　アンプ構想、アンプ構想の発展、PSPICE トランスモデルの作成追加,間違い訂正
2024-02- 2　Ver 1.002 大幅改定,　a 図S8,10,11訂正、図S-12追加
2024-02- 3　Ver 1.003 電源トランスのモデル以下のAV36VをAC36Vに訂正
2024-02- 4　Ver 1.004 記事訂正　低域特性と最後に考察追加、アンプへの応用に６BX7のシングルー最終案追加
2024-02-11　Ver 1.005 低域特性訂正
2024-02-29　Ver 1.006 トランスモデルの訂正、評価の図A-6,A-7,A-8入れ替え

A48-78周波数特性

【はじめに】

amazonで、トランスを見つけた。出力トランス　2 個と　電源トランス　のセットである。9350円は、安いと思ったので、買った。
そこで、出力トランスを測定した。
出力トランスは、２W　DC40mAのシングル用であり、1次5KΩ、2次０-4-8Ωの2つの出力端子を持つ。
電源トランスは、180V　120mA、6.3V　2A、18V-CT-18V　100mAの出力を持つ。
ぺるけさんのミニワットアンプにふさわしい。球は、ヒーターが2Aなので、1本1A以下なので、手持ちの6FD7をつかう。

No.１トランス

図１　ゲイン特性

１００KHHｚに3dBくらいのディップがある。フラットのところから一番下がったところは約９dB下がっているので、９ｄB以上の帰還をかけると無視できる。
それを除けば、低域も高域も素直なカーブである。300KHz以上の高域も十分下がっているので、問題ない。

図２　位相特性

高域は-90°に収まっており、高帰還が楽しめる。したがって、ゲイン特性の100KHzの3dBのディップは、気にすることはないので、優れたトランスである。

No.2トランス

図３　ゲイン特性

100KHzに２ｄBくらいのディップがある。フラットのところから一番下がったところは約６dB下がっているので、６ｄB以上の帰還をかけると無視できる。
高域も低域も素直な減衰特性である。300KHz以上は十分減衰しており、問題なし。

図４　位相特性

位相特性は、-95°くらいで、高帰還に向いている。高帰還なら、ゲイン特性の2dBのディップは問題ない。

低域特性

トランスの2次の8Ω端子にアンプをつなぎ、1次の5K端子に5KΩ負荷を付け、波形と電圧を見ました。
ただし、 DCは重畳されていません。

正弦波が通った電圧限界は、

周波数(Hz)	1次の電圧（5KΩ負荷）V	電力（5KΩ負荷）W
20	40	0.32
30	100	2.00
50	143	4.09
70	182	6.62
100	192	7.37

となったので、トランスとしては50Hz 2Wを満足してます。

PSPICEトランスモデルの作成

No.1トランス

図A-1　2次オープンのインピーダンス特性

|Z|の1Hzから20KHzまで真っ直ぐなので、インダクタンス成分です。10KHzから300KHzまで真っ直ぐなので、容量成分です。
|Z|のピークが鉄損のあたいです。
Rp、Rsは、共振点を示しています。100KHzと300KHzですね。

図A-2　2次ショートのインピーダンス特性

No.2トランス

図A-1ー１　2次オープンのインピーダンス特性

図A-2ー１　2次ショートのインピーダンス特性

LCRメーター測定

図A-３　No.1トランスのLCRメーター測定結果

図A-４　No.2トランスのLCRメーター測定結果

モデルの作成と評価

これらから、できたモデルは、(LCR メーターでトランスモデルを作る　参照)

*
* A48-78 5K single OPT
*
.SUBCKT A48_78 P B S2 S0
* Primary inductance
L1 P 1 15.986
* Primary resistance
R2 P 1 663.4e3
* Primary DC resistance
R1 1 B 269.7
* Primary capasitance
C1 P B 140.6e-12 訂正　2024.2.29
* Secondary inductance
L21 S1 S0 0.0255776
* Secondary DC resistance
R21 S2 S1 0.47
* Cappling
K2 L1 L21 0.998621954
.ENDS

です。

図A-5　評価回路

図A-6　シミュレーション結果　カットオフ周波数　低域10Hz、高域23.9KHz

低域の1Hzの線との交点は図1、図3のトランスの実測では、-44dBくらいであるが、ここでは-51dBくらいになっている。
なお、100KHzのディップと300KHz以上の特性はモデルに組み込まれていない。

図A-7　2次Openの|Z|特性

図A-1の|Z|特性にピークがすこしひくい周波数にずれている。

図A-8　2次ショートの|Z|特性

図A-2の|Z|特性にピークが少しずれ、ピークの値と形状が違う。まあ、100KHzの共振点を組み込んでいないからでしょう。

アンプへの応用

6FD7のシングル

6BX7のシングル

６BX7のシングルー最終案

電源トランスP66141

無負荷での開放電圧は、AC100Vで、180V出力が190V、18-CT-18の両端が38.6V、6.3Vが6.78Vであった。
そのほか、測定して、モデルを作った。

*
* P66141 Power Trans
*
.SUBCKT P66141 P1 P2 S11 S12 S21 S22 S31 S32
*Primary inductance
L1 P1 1 6.887
*Primary resistance
R2 P1 1 44.71e3
*Primary DC resistance
R1 1 P2 22.58
*Primary Capasitance
C1 P1 P2 1.9067e-9
*180V inductance
L2 S11 2 24.86207
*180V DC resistance
R10 2 S12 58.56
*Cappling
K11 L1 L2 0.999288316528711
*18V-CT-18V inductance
L3 S21 3 1.026135452
*18-ct-18 DC resistance
R20 3 S22 16.84
*Cappling
K12 L1 L3 0.999345164586401
*6.3V inductance
L4 S31 4 0.03165843708
*6.3V DC resistance
R30 4 S32 0.16
*Cappling
K13 L1 L4 0.999618358609357
K23 L2 L3 0.998979638161018
K24 L2 L4 0.998601561867935
K34 L3 L4 0.999156925966222
.ENDS

S11,S12はAC180V、S21,S22はAC36V、S31,S32はAC6.3Vである。