A48-78を使った6FD7シングルの構想
2024/2/2 Ver 1.000
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2024-02-2 Ver 1.000 新規作成
アンプの構想
６FD7は、2つの三極管が入っていて、1つは6EM7の電圧増幅管であり、出力管は、6EW７の出力管である。太いMT9ピンの球である。
出力管しか使ってないので、６EW7でもかまわない。
図５ 回路図
LND150は、MOS-
FETで、500V耐圧である。ほぼ電源電圧まで振れるので、２A3や300Bも楽勝でドライブできる。
ハイゲイン、ハイインピーダンスなので、Q2のソースフォロアをつけている。
初段のQ2のソースフォロアまでのゲインは、約43.6dBであった。また、U1のグリッドから負荷抵抗までのゲインは-15.2dBであった。
したがって、オープンゲインは、43.6-15.2=28.4dBくらいである。
これの最大出力は、
図６ 出力電力と歪 赤 出力電力 約1.53W 緑 出力電圧 歪1.45977%
出力もそこそこで歪もそこそこ小さい。出力電力を見ると凸凹している。これが2次歪の原因である。
図７ ロードライン
ロードラインをみれば、右に行くほどつまっている。したがって、サイン波の上は伸び、下は縮むのである。
これが、2次歪の原因である。
図８ 出力管のグリッド電圧
これより、-55.667994Vまでしかドライブされてない。これをロードラインの右にもっと伸ばせられないか工夫してみよう。
図９ 周波数特性 赤 オープンゲイン 青 クローズドゲイン 緑 位相
オープンゲインは、約28.35ｄB、クローズドゲイン約18.7dBで、NFBは約9.64dBである。
位相はゲイン0dBの時、-100°以内であるので、問題なし。
図９−１ DF特性
DFは、500Hzで約12.6ある。10KHzでも約5.5くらいある。
図９−２ 出力電圧スペクトラム 基本波は１KHｚ
1KHzが、約4.95V、2次波の2KHzが75.2mVなので、約1.5%である。3次波は、約10mVと読めるので0.2%くらいである。
したがって、図６で歪約1.46%なので、ほぼ2次成分という事である。高調波は凸凹せず、ほぼ斜めにきれいに8次まで減衰している。
図９ー３ 方形波応答 赤 負荷８Ω 緑 無負荷 青 0.47uFコンデンサ負荷
方形波応答は、発振せず、問題なし。
図９−４ ロードライン実測
図７で-55Vまでだと320V14mAなので、実測とほぼ同じである。真っ直ぐである。
【考察】
さて、図８のグリッド電圧を深くドライブするには、どうすればいいのかを考えるとカソードに信号を入れれば見かけ上深くドライブできる。
つまり、KNFにするのである。しかし、KNFにすると、初段を差動アンプにしないとKNFとオーバオール負帰還と同時には無理である。
また、KNFって、簡単に言うけど、帰還電圧レベルに最適値はないのだろうか？
アンプの構想の発展
図１０ 回路図
Q3,V4,R8,R9が、追加された。カソードの電圧はグリッド電圧と同相なので、Q3の反転アンプが必要になる。
ここでの、味噌はR8,R9である。Q3のゲインが変えられるのである。
なお、Q3は、TK3A60DAと
いう東芝のMOS-FETである。
図１１ 出力電力と歪 赤 出力電力約1.6W 緑 出力電圧 歪約0.91%
出力電力の波形が、図６の様に凸凹してない。つまり、2次歪が抑えられたという事である。
歪は、図６では約1.46%あったが、0.91%に落ちたのである。
図１２ グリッドカソード間電圧
グリッドカソード間電圧は、約-60.5Vまで増えた。図８では、約-55.7Vであったので、5Vくらい増えたのである。
図７のロードラインを右に5V進んだのである。その分、出力電力は増える。実際約0.07W増えた。
図１２−１ ロードライン実測
図９−４より、左に少し伸びましたね。真っ直ぐです。
図１２−２ 出力電圧のスペクトラム 基本波1Khz
基本波が約5.058Vで2次波は、３次波より下がって、３次波は約32.58mVですから、約0.644％で図１１の歪0.91%の3分の２を占める。
4次波も5次波より小さいし、偶数次波より奇数次波が大きい。4次以降は10mV以下なので、0.2%以下である。
図１２−３ DF
DFは、KNFありなしで、ほぼ同じである。
【考察】
さて、R9を変えると、動作点が変わり、バイアスを調整しないといけないが、交互に調整すれば、もっと歪が下がるはずである。
KNFは、やみくもにトランスの電圧を帰還するといいのではないようである。